日本の農業を想う「となりの農業革命」

日本の農業をこれからどういう形で継続していくか、日本の農業のシステムがほんの少しわかる小説かと思います。実際はもっともっと根深い問題があるのでしょうが、何も知らない素人が読めば、農業について少しでも興味がわくのではないかと思います。

とても読みやすいので、一気に読んでしまえます。

有機農業を夫婦ではじめかけていた矢先、夫に先立たれた若い農家の嫁、彼女の考えのもと一緒に働きはじめる男。

その二人の農業に携わっていく姿と、大手の農業法人によるあたらな手段で慣行農法を広めようとする者たち、考え方の違う両者ですが、共に日本の農業のことを良くしようと一生懸命です。

私は有機農法をがんばる二人を応援したくなりましたが、それだけで農業を発展させていくことの難しさもあるのだろうということも感じます。

私の夫の実家も元兼業農家で正に限界集落です。帰省するたびに田舎の過疎化、高齢化社会の話を聞いており、小説ではないリアルな状況を自分のすぐ身近でも感じることもあってか、軽く楽しめる話の中に深い問題定義を感じます。

若者たちのがそれぞれの立場で挑戦する姿は爽快な気分になりますが、やや話がうまく進みすぎるような気もします。

登場人物のありがちといえばありがちなキャラクター設定ではありますが、わかりやすくて若い人たちに少しでも日本の農業に感心を持ってもらうにはとても良い作品だと思います。

お互いの意見を尊重しながら、一つの目標に向かってお互いの力を出し合うという理想的な姿。どこの社会でもこんな風であればうまくいくのになぁと思います。